相続遺言判決実例集…TOPPAGE


  • 相続遺言判決実例集
  • (最判・昭和60年1月31日家月37巻8号39頁)
 

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 相続遺言判決実例集

相続と遺言についての判例実例です。

 

(最判・昭和60年1月31日家月37巻8号39頁)


 (最判・昭和60年1月31日家月37巻8号39頁)

「原審は、右事実関係のもとにおいて、(1)死亡退職金は死亡者の生存中の勤続に対して支給されるものであって死亡者の相続財産又はこれに準ずる性質を有するものと解せられるから,その受給権者につき単に遺族とのみ規定されている場合には,その受給権者の範囲及び順位については民法の相続の規定に従うものと解するのが相当である。(2)したがって,本件退職金の受給権者は,Aの唯一の法定相続人である被上告人Xというべきであるとして,本件供託金の還付請求権が被上告人Xにあることの確認を求める被上告人Xの木訴請求を認容し,右還付請求権が上告人Yにあることの確認を求める上告人Yの反訴請求を棄却した。ところで,原審の適法に確定したところによれば,F工大は,昭和54年3月,規程6条を改正し,ただし書として,新たに『遺族の範囲及び順位は,私立学校教職員共済組合法25条の規定を準用する。』旨追加したというのである。そして,私立学校教職員共済組合法25条(昭和54年法律第74号による改正前のもの。以下同じ。)が準用されると,同条により国家公務員共済組合法2条、43条が準用されることになり,その結果,改正後の規程6条によれば,F工大の死亡退職金の支給を受ける遺族は,(1)職員の死亡の当時主としてその収入により生計を維持していたものでなければならず,(2)第1順位は配偶者(届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)であり,配偶者があるときは子は全く支給を受けない,(3)直系血族間でも親等の近い父母が孫より先順位となる,(4)嫡出子と非嫡出子が平等に扱われる,(5)父母や養父母については養方に優先する,ということになる。すなわち,改正後の規程6条は,死亡退職金の受給権者の範囲及び順位につき民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは著しく異なった定め方をしているのであり,これによってみれば,右規程の定めは,専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし,民法とは別の立場で受給権者を定めたもので、受給権者たる遺族は、相続人としてではなく,右規程の定めにより直接これを自己固有の権利として取得するものと解するのが相当である(殿高裁昭和54年け)第1298号同55年11月27日第一小法廷判決・民集34巻6号815頁参照)。のみならず,改正前の規程6条においても,死亡退職金の受給権者が相続人ではなく遺族と定められていたこと,改正前も前記私立学校教職員共済組合法25条及び国家公務員共済組合法2条,43条が施行されていたことを考慮すると,他に特段の事情のない限り,改正前の規程6条は,専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし,民法上の相続とは別の立場で死亡退職金の受給権者を定めたものであって,受給権者たる遺族の具体的な範囲及び順位については,前記各法条の定めるところを当然の前提としていたのであり,改正によるただし書の追加は,単にそのことを明確にしたにすぎないと解するのが相当である。そして,右のように解することを妨げるような特段の事情の主張,立証はなされていない。そうすると,改肝L前の規程6条にいう遺族の範囲及び順位に関しては,前記各法条の定めるところによるべきであり,右遺族の第1順位は,職員の死亡の当時主としてその収入により生計を維持していた配偶者(届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)と解すべきことになる。」

 


 

 
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